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『憲法主義』読了記、あるいは期末レポートに追われて

 久々の読了記です。7月1日に安倍政権が行った「憲法9条の下でも集団的自衛権の行使は容認される」という憲法解釈の変更は記憶に新しい。そんな最中、AKB48のあるメンバーと九州大学法学部准教授との共著が発売された。

 ―憲法を暗唱するアイドルと気鋭の憲法学者による1億人のための憲法講義― 帯文より



 法学の授業(教養科目の法学の授業であり、法学部の授業ではない)の期末レポートで憲法について書くことを決めていた、ということもありAmazonで即予約、発売日翌日には手元に届いていた(北海道は発売日当日に届かない)。そしてそのまま一気に読み終わった。
 一言感想を言うならば「なっきー(内山奈月)、頭いいな」である。
 内山奈月(愛称:なっきー)とは、2012年5月にAKB48第14期研究生オーディションに合格、同年8月に昇格しTeam4に所属(大組閣後の現在はTeamBに所属)。その翌年の13年6月に日本武道館における研究生コンサートにて日本国憲法を暗唱する
 本書は全5講のなっきーと南野先生によるテンポの良い講義録(重要なところには赤ラインが引かれている)と、各講の終わりにあるなっきーによるまとめレポート(先生による注釈付)によって構成されている。講義録の途中には、なっきーによるノートがそのまま掲載されており、直筆を見ることができる(ノートの構成からも、彼女の頭のよさの一端を感じることができるだろう)。
 「憲法みたいなものでもAKB商法かよ、どうせ中身はぺらっぺらなんだろ」という批判がおそらく存在するだろうと思う。しかし、内容も中高で習うような基礎的な知識から、大学生でも(教養科目で憲法の授業を受けた程度では)即答できないような知識までがバランスよく(網羅していないという意味ではバランスは悪いのかもしれないが)配置されており、興味をもつきっかけを作る(憲法に関する二冊目の本を欲しくなる)入門書としてはとてもよく出来上がっていると思う。第4講「内閣と違憲審査制」、第5講「憲法の未来と変化」はよくニュースで取り上げられる内容でありながらも、どのようなものなのかを知らず(習わず)語る人も多いと思うので、是非一読してもらいたい。
 私たち国民は、その危険性を理解した上で積極的にマスコミから情報を収集し、選挙で責任を持った1票を投じる義務があるのだと思う。(中略)最低限の知識を国民一人一人が得ることによって、よりよい正しい方向に日本の政治が進んでいくのではないだろうか。
 この文章は147頁、第3講のなっきーレポートの引用である。
 アイドル(私的な欲望を喚起するもの)と政治的なものを繋げることには反発も多いことだろう。しかし、この書籍の内容は「憲法とはどういったものなのか」という基礎的な知識を広く知らしめる啓蒙的なものである。むしろ、ある種AKB商法的なモノを用いてでも、今まで憲法というものを意識しなかった人々が興味をもつことになることの方が重要ではないだろうか。

(追記)
 課題レポートの影響もあってなんだか堅苦しい読了記になってしまった。
 興味をもった方は、まず内山奈月からのメッセージを読んでみてね☆
(文責:神山六人)


憲法主義:条文には書かれていない本質憲法主義:条文には書かれていない本質
(2014/07/16)
内山 奈月、南野 森 他

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